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タクシーのお客様 --- 1ケース

 ある日、
タクシーに乗っていたら無線が鳴った。
無線を取ると、
「朝8時00分に○○料亭へ」
という伝達があった。

 一目散に○○料亭へ向かい、
僕が到着したのが7:50だった。
約束時間よりも遅れるのは厳禁なので、
大体は前もって到着して待っている。

このお客様を待っている時間が、
僕にとっては緊張感みなぎる時間だ。

8:00を過ぎても現れず、
8:10頃に門が開き、お客様が現れた。
着物を着た女性2人だった。
若い女性と年配の女性の2人組だったが、
若い方の女性がなかなか厳しい人だった。

女性:「○○駅まで急いで」
   と到着早々に言われた。
僕:「はい、かしこまりました。それでは出発します」
   と言い、急ぎ目で発進した。
  
 朝の8時頃だと、通勤ラッシュの真っただ中で、
周りは渋滞の嵐だった。
こういう時はお客様の意図を汲み取ると焦る。

 危険を誘発するような事はするまいと、
いつも肝に銘じて僕は運転をしている。
しかし、ある信号にて黄色で僕が止まった時に
女性が切れた。
女性:「何をしてるの!急いでって言ったでしょ!」
僕:「はい、出来るだけ急いで行かせて頂きます」
女性:「はあ?さっきからチンタラチンタラ何をしてるの?」
僕:「はい、申し訳ございません」
女性:「右へ左へ、どんどん空いた方へ行かな。
    運転の仕事してるなら、それぐらい分からなあかんでしょ」
僕:「・・・、はい。分かりました」

 その後、僕は本意ではないが、ジグザグ走行をした。
空いた車線から空いた車線へ、次々と車を抜かして。
女性:「はい、次はこっちが空いてる」
   という指導の元に。

僕:「まもなく○○駅へ到着しますが、
   どの辺りにお着けしましょうか?」
女性:「そんなの一番近い場所に決まってるでしょ!」
僕:「はい。承知しました」

  そうしてお客様方は○○駅へと歩いて行かれた。

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