『家族狩り』に思う事(3)

第5話を見て、

 ただ事ではないと判断した美術教師の巣藤先生は、
ひきこもりの実森君の家に強引に入った。
そして、
巣藤先生は正直に告白した。
「実は僕も、中学3年生の時、ずっとひきこもってて・・・」
と。
実森君の部屋と廊下とのドア越しの会話だった。
ただ、その声をさえぎるように、実森君は大音量で音楽を流した。


その後はメールでのやりとりに変わった。

先生はメールを送り続けた。
「俺も引きこもりだった。
引きこもってる奴は、現実から逃げてて、
楽チンだとみんな思うみたいだけど、
本当は外に出られないのってスゲー辛かった。
泥の中で溺れてるみたいで」
「中学の時、俺は本気で・・・親を殺そうと思っていた」
などのメールを送ると、
実森君は部屋の中で暴れた。

暴れる実森君を見て、
「お前なんかに俺の気持ちが分かってたまるか」
「お前はそうかもしれないけど、
俺は・・・
ウォー、ウォー、ウォー、
自分でもどうして良いか分からないんだ。
気が狂いそうなんだ」

そんな心境だと僕には思えた。

「大学のオリエンテーションの日、
隣に座った友達が、
裏DVDを貸してくれた。
それが、俺と裏DVDとの出会いだったんだ」
そんなメールを先生が送ると、部屋の爆音が止んだ。
静かな時が流れた。

しばらく静寂が続いた後に、
「ピッピッ、ピッピッ」と先生の携帯が鳴った、
実森君からのメールだった。
「裏DVDとの出会いって、バカじゃね?お前」
それを見て、先生は微笑んだ。
実森君と先生との心が少しだけ通じ合った瞬間だった。
僕も、この場面には不覚にも涙した。

僕の感じた事だけど、
「こんな先生がいたら、俺の人生も少しは変わったかもしれないなあ」
と、ドラマの話ながらも羨ましく思えた。
同時に自分の高校時代、
クラスで孤立していた僕を見て、
「お前みたいなオドオドした奴を見るとイライラするんだよ!」
とクラス全員の前で罵倒した高校教師を思い出した。
あの時に僕が感じた屈辱は未だに忘れた事がない。

話がそれたけど、
裏DVDのメールの後、
実森君と先生との距離がぐっと縮まった。

「裏DVD見た事ないだろ?
そうだ美術室で一緒に見ないか?」
と先生のメール。
「教師がそんなこと言っていいのかよ?
クビになるぞ」
と実森君のメール。
その時の実森君は嬉しかったと思う。
先生がリスクを冒してまで、自分の為に言ってくれる事に。
ちょっと悪い事を一緒に共有してくれる・・・
まるで友人のような感じが嬉しかったんだと思う。

 ドア越しでの、
実森君と先生との繊細なメールのやりとり。 
メールであったからこそ、成し得た心の交流だったように思う。
テーブルで向き合って話し合っても、無理だったと思えた。

 「俺も引きこもりだった」
とか
「親を殺そうと思った事がある」
とか、
世間一般では絶対に言えない
『根暗なメールのやりとり』
根暗な話をする事で生まれた希望。
奇跡の瞬間を僕は感じた。
明るい話をするだけでは生まれない奇跡だと
僕には思えた。







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コメント欄でありましたが、苦しい時に助けてくれる人はなかなかいないですよね。追い詰めてくる人はいますがね‥。家族狩り最近面白くなってきましたね。氷崎ゆうこ好きになってきましたよ。彼女不器用なんですね。

こんばんわ、ゆなさん。

 そうですね。
特に精神的に苦しんでる時とか孤立して苦しんでいる時なんかは
、余計に無視される感じがします。
弱っている人がいると、追加攻撃をする人はいますね。
そういう事ばかりだと、生きる事が嫌になりますね。

 そうですか、氷崎游子も印象が変わって来ましたからね。
最初は強引な人って印象でしたが、最近は繊細さが感じられます。
家族狩りは1時間がすぐに終わってしまう感じです。
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