タクシーのお客様---2ケース

 ある日の正午、
タクシー無線が鳴り、無線を取ると、
指定された場所はお好み焼屋の前だった。

 店の前へ到着すると、
気の良さそうな60代位の年配の男性が待っていた。

60代男性: 「おう、ここに車を着けてくれ」
僕: 「はい。分かりました」
60代男性: 「すぐに若いの2人も来るから」
僕: 「はい。承知しました」
と言って待っているとすぐに2人が店から出てきた。

見た目からして、その2人は40代位で、
2人の内の一人は、
100kgを超えるような体格の良い男性で、
グレーのジャケットに、ゴツイ金のネックレスをしていた。
もう一人は、
サングラスをした強面の男性だった。

金ネックレス男性とサングラス男性は、
「お待たせしてすみません。組長」
と60代男性に謝っていた。
それを聞いた僕は、
「あれ?もしかして・・・その筋の人ですか?」
と心の中で呟いた。

後部座席奥に組長、
その隣ににサングラス、
助手席に金ネックレス、
という状態になった。
金ネックレス: 「じゃあよお、○○の甘栗屋まで行ってくれ」
僕: 「申し訳ありませんが、
    私の勉強不足で○○の甘栗屋が分からないのですが、
    道を教えて頂けますか?」
金ネックレス: 「ああ?何でそんな事も知らんのや」
組長: 「まあいい。俺が教えるから」
僕: 「申し訳ありませんが、お願いします。
    それでは発進させて頂きます」
   そうして発進した。

組長: 「とにかくこの道を真っ直ぐ行けば良いだけだ」 
僕: 「はい。分かりました」
   僕は簡単な道だと知ってホッとした。

ただしばらくすると、進入禁止の標識があり、
真っ直ぐ進めない状態となった。
僕: 「今、前方に進入禁止の標識がありますが、
   どうしましょうか?」
金ネックレス: 「そんなもん関係ないやろ、行けや!」 
僕: 「えっ?いや、それは無理です」
金ネックレス: 「ああ、お前、俺を怒らせるのか?」
僕: 「いえ、そんなつもりはありませんが、
    法令違反となりますので」
金ネックレス: 「こいつどうします。組長?」
組長: 「まあいい。左に曲がって行けば」
僕: 「はい。分かりました」
   と言い、安堵した気持ちで左へ曲がった。
 
ところが左へ曲がると、道に迷ってしまった。
僕: 「申し訳ありませんが、どう行きましょうか?」
金ネックレス: 「おい。お前変な道行ったら分かっとるやろな。
          指一本へし折る程度じゃすまさんぞ!」
僕: 「はい。何とか戻ります」
  と言いながら、冷汗が止まらなかった。          

金ネックレス: 「チャカ知っとんのか?懐に入っとるからな」
         そう言いながら、懐に手を忍ばせ、
         運転している僕の肩をグイッと掴んだ。
サングラス: 「おい。もう止めとけ」
組長: 「あとはこの道を行けば大丈夫だ」

サングラスと組長のフォローで、
後は安心して運転出来ると思った。

 しかし、今度は前方を走る車がゆっくり運転だった時、
助手席の金ネックレスは、隣から僕のハンドルに手を伸ばし、
クラクションを思いっきり鳴らしながら、
金ネックレス: 「どかんか、ボケが!!」
         と怒鳴り散らした。
僕: 「いや、危ないですよ」
金ネックレス: 「はよ行けや!」
僕: 「はい。なるべく早く行きます」
 

 こうして色々ありながらも、○○甘栗屋へ到着した。
僕: 「料金は1,500円になります」
金ネックレス: 「なんや、ボッタくっとんのか?」
僕: 「いえ、そんなつもりはありません」
金ネックレス: 「まあいい。そんじゃ頑張れや。釣りはいいからな」
         と言って2,000円を置いて行かれた。


   
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No title

その筋の人も乗りますもんねよく対応できましたね。
自分だったら返事もままならないかも。。。

No title

ナギヒロさん、こんばんは。怖い思いをしましたね。ヤクザの人達に負けずに、一生懸命お仕事をしたのは、凄いですね。

文章の最後に2000円をおいていかれたと書いてありましたが、ナギヒロさんの感想が書いてあばいいのになと思いました。

以前にも書きましたが、会社であった嫌なことを、奥様に話したりはしないのですか。

6年前、私は、愛知県名古屋市、春日井市あたりは、友達が住んでいたので、遊びに行ったことがあります。愛知は車が多いイメージと、食べ物が美味しいイメージがあります。
朝晩はまだまだ寒いので、くれぐれもご自愛下さい。


こんにちわ、むぼうびさん。

 コメントありがとうございます。
その筋の人には今まで数回乗って頂きましたが、
この時が一番大変でした。
 下手な事を言ってしまったら、
どうなるか分からないですね。
 僕もしどろもどろのギリギリ状態でした。

こんにちわ、ぴかりんさん。

 コメントありがとうございます。
 この時は流石に怖かったです。
何とか無事に到着出来て良かったです。

 2000円を置いて行かれての感想は、
一応500円を余分に払われたと言う事なので、
「何だかんだで、悪い運転では無かったかな?」
と言う安堵の気持ちです。

 妻に話す事と話さない事とありますね。
会社の普通の悩みは話しますが、
虐待の後遺症などの悩みは話さない感じです。

 愛知に友達が住んでいたのですね。
名古屋や春日井は都会ですね。
朝晩は風邪を引かないように気を付けたいですね。
花粉症なども嫌なシーズンですね。

 



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No title

すみません^


公開、コメントなんですが~


間違えました^^^

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はじめまして、奥崎さん。

 公開コメントのつもりだった。
という事なので、オープンに返信させて頂きます。

 仕事の励みと言って貰える事は、
ブログを書く者として非常にありがたい事です。
こちらの方こそ励みになります。

 この記事の経験は特別なので、
流石にまだ奥崎さんには無い経験でしょうね。
でも、毎日30人位の人に乗車してもらっていると、
色々と経験されると思います。

 タクシーに乗り始めて一ヵ月だと、
まだまだ全然地理は分かりませんね。
僕が4ヵ月ちょっと経過しましたが、
未だに分からないです。
「申し訳ありませんが、私の勉強不足で、
道を教えて頂けますか?」
を何回言ったか分かりません。


 そうですね。
地図とにらめっこして、
必死で地理の勉強をしたけれど、
いざお客様に「○○まで行って」
と言われるとパニックになりますね。
毎日冷汗の連続です。

 「料金を半額にしろ」
と言うのはキツイ発言ですね。
冗談でも言って欲しくないです。

「道を教えてやるから、安くしてな」
とは僕も何度か言われました。
実際には正規の料金を頂きましたが。


慣れるまで、半年~1年とも聞きますが、
僕は慣れないですね。
もう4ヵ月以上が経過しても
全然です。2年位かかるかもしれません。

 会社での孤立は辛いですね。
仕事終わりの洗車や納金業務においては、
周りは雑談会ですからね。
 
 
 タクシー関係者からコメントを頂いたのは、
今回の奥崎さんが初めてです。
それだけに嬉しく思います。
 今後ともお互い頑張りましょう。

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